異物の誤食に注意

最近はワンちゃんもネコちゃんも異物を誤食した患者さんが続いております。

お正月以来、異物の患者さんがあまりに多いので少々面食らってしまうくらいなのですが、やはりここは動物病院として皆様に注意喚起をしておかなきゃと思います。ここ最近だけでも、針・紐・石・タバコ・おもちゃ・ボタン・プラスチック片・冷えピタシート・毛玉・髪留めゴム・布切れ等々、、、。手術になった患者さんもいれば、催吐処置で済んだ患者さんもいます。

異物の摂取の治療は時間との勝負になります。処置が早く、異物がまだ胃の中にある場合には、催吐処置(お薬を使って異物を嘔吐させます)や内視鏡で解決できるケースもありますが、時間が経過して胃から腸へ異物が移動してしまった場合には、多くのケースで手術となります。

宮川のほとり動物,胃切開

左の写真は小腸に石が閉塞したケースです。不幸中の幸いで、腸の状態が良かったので切開だけで済みましたが、もっと時間が経過して腸の壊死が始まっている場合には腸を切除して繋ぎなおす必要があり、そうなると手術合併症のリスクは格段に高くなります。そしてペットが異物を食べてしまったことを飼い主さんが気付いていないことも多々あり、と声を大きくしてお伝えしておきたいと思います。

通常、異物摂取の際にはレントゲン検査を行なうことが多いですが、レントゲン検査は必ずしも万能ではありません。金属や石などはレントゲンによく写りますが、布やプラスチックなどはレントゲンには写らないことも多く、その場合にはバリウム造影をおこないます。

バリウム造影検査では、バリウムが胃から腸へ流れていく様を連続的にレントゲン撮影する必要があります。異物があれば、そこでバリウムが滞留したり、バリウムが異物の表面に付着することで、通常のレントゲン撮影では検出できない異物の陰影を見つけるわけです。

過去には、焼き鳥の串が胃を貫通して脾臓に刺さったケース、ヒモ状異物が腸の数か所に穴をあけて腹膜炎を生じたケースなど、異物の種類や経過時間によっては死亡事故につながることもありますのでご注意ください。食べちゃったけど少し様子をみようかな・・という安易な自己判断で幸運にかけてみるようなことはしないで、早めに動物病院に相談してくださいね。

 

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