第三眼瞼腺突出(チェリーアイ)について

こんにちは。ここ数日はゴールデンウィークの慌ただしさも一段落して、少しだけ診察も落ち着いてきました。さて今回は病院らしい病気のお話です。皆さんは『第3眼瞼腺突出』という病気をご存知でしょうか。第3眼瞼腺脱出とか、俗にチェリーアイと呼ばれたりする疾患です。この病気の手術が数件続いたのでご紹介したいと思います。

なにやら難しそうな名前の病気ですが、犬や猫には第三眼瞼(がんけん)と呼ばれる第3のまぶたがあります。この第三眼瞼の奥には第三眼瞼腺という組織があって、涙全体の約60%程度がこの第三眼瞼腺で作られています。第三眼瞼は瞬膜(しゅんまく)ともよばれ、第三眼瞼腺を瞬膜腺と言ったりもします。

赤矢印の部分、コレが第三眼瞼です。当院看板娘のララちゃんの右眼を正面から見ていますが、内側から白い瞬膜が出ているのがわかりますね。この瞬膜の奥には瞬膜腺があって、瞬膜腺からは涙が分泌されています。チェリーアイという病気は、本来は奥にあって見えないはずの瞬膜腺が反転して外に突出してしまう病気で、様々な犬種で起きますがアメリカンコッカースパニエル・ビーグル・ペキニーズなどで多くみられます。

さて、第三眼瞼腺が突出するとこのような外観になります。
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第三眼瞼腺が大きく腫れています。まれに無症状のこともありますが、通常このような状態では違和感や痛みが強く認められます。結膜炎や角膜の外傷を伴うことも多く、また第三眼瞼の内部にはT字型の軟骨があり、軟骨の変形が起こると軟骨の部分的な切除も行なう必要があり、できるだけ早期の手術が望まれます。ですが眼に大きな影響がでる前に手術してあげると、きちんと綺麗に治すことができる病気でもあります。
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手術後の写真です。綺麗に治って可愛い顔に戻りましたよ。このような異常がみられた場合には、早めにお近くの動物病院に相談してくださいね。

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