予防医療
- 犬の混合ワクチン
6種と8種の混合ワクチンがあります。
6種と8種の違いはレプトスピラ感染症のワクチンの有無になります。
犬の生活スタイルによって適したワクチンが変わります。
室内での生活がメインで外出もご近所のお散歩程度のわんちゃんには6種を、外出が多くあちこちに連れ出すことの多い場合には8種をお勧めしております。上記以外の種類のワクチンをご希望の場合にはご相談ください。 - 猫の混合ワクチン
3種と5種の混合ワクチンがあります。
3種と5種の違いは猫白血病ウイルス感染症とクラミジア感染症に対する
ワクチンの有無になります。
完全室内飼育の場合には3種を、
外出してしまうことのある猫ちゃんには5種をお勧め致します。
混合ワクチンは犬、猫とも初回接種の場合には2回(月齢によっては3回)の接種が必要ですが
翌年度からは年1回の接種をお勧めしています。 - 狂犬病予防接種
狂犬病予防法によって生後90日以上の犬に対して接種の義務が定められています。
年1回の接種です。初めての接種の場合には市役所への登録が必要になりますが、
当院では登録手続きの代行もしておりますので
飼い主様に市役所へ登録手続きに行っていただく必要はありません。 - フィラリア予防
蚊が媒介する寄生虫の病気です。地域によって蚊の発生時期に違いがありますが、
当院では4月末~11月末もしくは5月初旬~12月初旬までの8か月間の予防を推奨しています。
月に一度の投薬で予防をおこないます。
お薬は錠剤タイプ、チュアブル(お肉)タイプ、スポット(滴下)タイプがあり、
どれもきちんと予防できますので、使いやすい剤形を選んで頂くことが可能です。
最近では猫もフィラリアに感染することが分かっておりますので猫ちゃんにもお勧めしています。 - ノミ・マダニの予防
言わずと知れた有名な寄生虫です。
ノミは痒みや皮膚炎の原因になる他、消化管内の寄生虫を媒介します。
マダニも皮膚炎の他、バベシア症などの感染症を媒介します。
スポット(滴下)タイプが主流ですが、チュアブル(お肉)タイプもご用意しております。 - 消化管内寄生虫
いわゆるお腹の虫です。強い症状を認めることは比較的まれですが、
初めてペットをお飼いになった場合や、外出が多い場合にはまずは便検査をお勧め致します。
中には便検査で見つかりにくい寄生虫もありますので、外出する猫ちゃんには定期的な駆虫を
お勧めすることもあります。
避妊手術・去勢手術
避妊手術、去勢手術を行う目的は多岐に渡ります。本来は望まない繁殖を防ぐためのものですが
他にも各種疾患の予防(乳腺腫瘍や会陰ヘルニア、卵巣・前立腺などの生殖器疾患の予防)、
発情行動を抑えたり、発情出血が起こらないようにする、などです。
当院では血管シーリング装置を導入することにより、麻酔時間を短縮する努力をおこなっております。
また血管シーリング装置を使用することで、体内に縫合糸を残さず、術後の縫合糸反応性肉芽腫を起こしません。
歯科検診について
犬と猫ではヒトと違って虫歯は少なく、歯石の付着による口内環境の悪化が原因の歯周病が
非常に多くみとめられ、3歳以上の犬の80%が歯周病に罹患しているとの報告があります。
実際にペットの口臭や歯周病に関するご相談は非常に多いのですが、動物の歯科処置には
全身麻酔が必要となるため、悩んでいるけど実施に踏み切れない飼い主さんがほとんどです。
歯周病は歯だけの問題にとどまらず、心臓や腎臓といった全身の臓器に問題を生じることが多いため
歯周病でお悩みのペットでは歯科検診を強くお勧め致します。
歯周病が問題となる動物は、多くが高齢です。
まずは安全に麻酔がかけられるかどうか、麻酔前の健康状態の評価から始めるのが
当院の方針です。お気軽にご相談ください。
腫瘍診断について
当院では腫瘍の診療にも力を入れております。
ひと口に腫瘍と言っても良性のものから悪性のものまでその種類は多岐に渡ります。
獣医師であっても、見た目だけでは『しこり』が良性なのか悪性なのか判断することはできません。
小さくても非常に悪性度の高い悪性腫瘍もあれば、
大きくても良性の病変であることだってあります。
きちんと腫瘍を診断できる先生は、良性の腫瘍に必要以上に大きな処置を施したり、
悪性の病変をただ経過観察するようなリスクの大きな治療はしないはずです。
『良性なのか』・『悪性なのか』
『その腫瘍は体にどんな影響があるのか』といった腫瘍側からみた判断と
『患者の健康状態』・『体力』・『年齢』といった動物側からみた判断と
『飼い主様の治療に対する考え方』・『治療費などの金銭的な問題』といった判断、
そして『その病院で実施可能な治療の選択肢はいくつあるのか』
これらの要因を、動物の状態をみながら、飼い主様と話し合いながら、
総合的に判断して治療を進めていきます。
腫瘍の診療に”安易な経過観察”はムダなリスクを背負うだけです。
まずは獣医師に相談することから始めてみてください。