鳥羽水族館 その3
たたみかけるようにトバスイ3回目ですね。
オオクチイシナギという魚です。15センチくらいでしょうか。僕も詳しくは知らない魚ですが、学生時代に大学の講義で“イシナギ中毒”を教えられた覚えがあります。肝臓に多量のビタミンAが含まれているためにイシナギの肝臓を食べると中毒するということだったと思います。調べてみると、やはりこの魚のことみたいですね。食用ではありますが、肝臓を含めたイシナギの販売は1960年以来禁止になっているんだそうです。でも怖い話は置いといて、オオクチイシナギは日本で初めて鳥羽水族館が繁殖に成功して、この9月から展示を始めたと書いてあります。水深400~600メートルに生息する深海魚だそうです。『隣の水槽には親魚も展示してあります』と書いてあるので右に移動してみると
おおおっ。1メートル以上ある。迫力の違いに驚きます。日常生活では驚くことなんて少ないのでこういう瞬間は楽しいですよね。きっと繁殖させるのも、稚魚を育てるのも大変だったと思いますが、なんの苦労も感じさせずにさらりと展示してあるあたり、感心です。飼育員の皆さん、ちゃんとわかっていますよ。
これはミズダコです。タコをこっち側から見る機会なんてありません。タコってわりとあちこちに生息しているらしいです。きっと伊勢、鳥羽、志摩あたりの海にも沢山いるだろうと、何度か捕獲に出掛けたのですが、僕はまだ一度も捕まえておりません。きちんと装備を整えてまた行ってみたいと思います。捕まえたらきっと食べちゃいますけどね。
これ、何だかわかりますか? 3センチほどの透明でひらひらした謎の生物ですが、これイセエビです。『へんな生き物研究所』と題された区画に展示されています。ここでは面白い生き物が沢山みられるのですが、僕が紹介して楽しみを奪ってしまってはいけませんのでこの方のみ紹介です。卵から孵化したイセエビの幼生はフィロソーマと呼ばれます。この写真のひらひらしたやつですね。このフィロソーマは海流に乗って外洋にでて、約300日ほどプランクトンとして漂う生活をするそうです。その間30回くらい脱皮して、1.5mmから30mmくらいに成長するとのことなので、この写真は30回脱皮したあとのフィロソーマ幼生の最後の段階なのでしょう。このあとプエルルス幼生という形態に変態して、見た目はエビらしくなるのですが、プエルルス幼生は食餌をとらず、フィロソーマ時代に蓄えたエネルギーのみで生活しながら沿岸部を目指すそうです。そしてトバスイにはオトナのイセエビの展示もあるのですが、数が多すぎて、水槽の中がイセエビすぎて、とても美味しいエビには見えません。