鳥羽水族館 その2

トバスイ続きです。鳥羽水族館には魅力的な展示が沢山あるのですが、僕が好きな一部をご紹介したいと思います。

まずは以前にもお話したスナメリから。この伊勢湾にも生息している小型のイルカですね。伊勢の海辺からイルカが見れるんですか?って診察の際に質問を受けたのですが、見れます。ですがそれは運にも左右されるので、手っ取り早く見たければトバスイですね。

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こちらは野生ではないので愛嬌を振りまいてくれます。可愛いです。カメラを向けるとシャッターチャンスを作ってくれます。上の写真はおでこを水槽のガラスに押し付けてアピールしてくれています。そしてこんな展示がありました。

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1日3回、アジを3~4kg・・・。僕の入館料が美味しいアジに変わりますように。調子が悪い時にはアジに薬を入れて与えるんですね。犬も猫もそうですが、調子が悪い時にはご飯が食べれないこともあるでしょうから、そんなときは注射するんでしょうね。きっとトバスイの海獣たちを診てくださる獣医の先生がいらっしゃると思いますが、ご苦労をお察しいたします。頑張ってください。

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次はこの方。コブシメというイカの一種ですね。置かれた状況によって体色や形を変えるので見ていて飽きません。上記の写真のコブシメさんは穏やかに漂っていますが、試しに水槽にゆっくり掌を近づけてみると

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写真だとわかりにくいですが、体の色が変わっています。そして怒ってるんだろうな。滑らかだった表面がトゲトゲになっちゃいました。すまぬすまぬ。悪かったよ。怖いからそんなに足で威嚇しないでおくれ。

コブシメさんのご飯タイムにたまたま出くわすとラッキーですね。与えられた魚をシュッと捕まえるシーンは動きにムダがなく美しいです。コブシメさん水槽にもフィーディングタイムを記載していただけると僕のようなコアなファンは喜ぶです。

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そして通路に展示されているザリガニ。何を隠そう、今水槽があったら僕が飼ってみたいのがザリガニちゃんです。ザリガニって聞くと、皆さん臭いし汚いし・・と思うでしょう。それはひとむかし前の知識。洗面器や水槽の浅い水深の水で飼育するのが当たり前と思われていた時代の話で、ザリガニだってきちんとした環境で飼育すれば熱帯魚のようにきれいにできるんですよね。ザリガニの飼育は奥が深いんです。これを語りだしたら大河ドラマになっちゃうので、いつの日か僕がザリガニを飼い始めたらお話するつもりです。

アメリカザリガニの他にも多種のザリガニが展示されていますが、僕としてはニホンザリガニがおすすめです。写真はありませんが、純日本産の小型のザリガニです。大人になっても体長は5センチほどなんです。日本では北海道と、本州の青森・秋田・岩手の3県にしか生息していない貴重なザリガニで、現在では絶滅危惧Ⅱ類としてレッドデータブックに登録されています。僕が青森県十和田市にある北里大学獣医学部の学生だった頃、山の中をあちこち探して苦労の末に1か所だけニホンザリガニの生息地を見つけました。手つかずの山の中にある、川の源流に近い綺麗な流れに手を入れて、落ち葉や石をそっとどけると、そこには沢山のニホンザリガニがいました。

その頃はちょうどニホンザリガニがレッドデータブックに登録される直前でしたので、大学の学園祭の時に1匹だけ捕まえてきて水槽に展示しました。ま、ほとんど誰も見に来ませんでしたが・・。知名度の低い生き物だけに寂しい展示となりましたが、分かってらっしゃるごく少数の方々には感動していただくことができました。1日だけ展示して、学園祭が終わった夜に一人で真っ暗な山中にニホンザリガニを返しに行きました。後にその場所は八戸-青森間の新幹線が通ることになり、工事の関係で立ち入りができなくなってしまいましたが、そのことでかえって人の手が入らぬ環境が維持されることを期待しています。

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